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2025年6月総合コラム:著作権者不明な著作物の利用手続を簡素化(改正著作権法)
政府は、著作権者が不明などの著作物の利用手続を簡素化する改正著作権法を、2026年4月1日に施行することを閣議決定しました。今回の改正によって、利用されずに埋もれている著作物を円滑に二次利用できる「未管理著作物裁定制度」の運用が始まります。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/chosakukensha_fumei/tyosakubutsu/index.html
同制度は、著作権者と連絡が取れないものや、著作権者がわからないものなどについて、文化庁長官の裁定(利用許諾)により、利用者が補償金を支払うことで合法的に利用可能とするものです。これにより、著作権者への対価還元や利用ニーズの発掘といったメリットがあるとされています。
裁定の結果、利用が認められた作品は文化庁のサイトで公開します。利用者は国の指定機関に補償金を納めることで、当該作品を裁定が取り消されるまで、1回の申請につき3年を上限として利用できます。
一方、著作権者側は文化庁に対して、裁定の取り消しを求めたり、利用者が納めた補償金を作品の利用料として受け取ることができます。
文化庁は裁定申請時の手数料を1万3800円とする方針です。利用の際には、手数料のほか、補償金(裁定時に相場をもとに金額を決定)の納付が必要となります。
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