-
知財実務Q&A:特許出願で準備する書類を教えて下さい
~中小企業の社長の為の知財実務Q&A~
Q. 特許出願で準備する書類を教えて下さい
A 「願書」「明細書」「特許請求の範囲」「図面(任意)」「要約書」の5つです。
【願書】
願書には、発明者、出願人、代理人(弁理士)等の形式的事項を記載します。
<発明者>
発明を行った自然人(個人)の氏名・住所(居所)を記載します。発明は、創作活動になりますので、法人や団体が発明者となることは認められません。複数名の発明者を記載できます。
<出願人>
将来の特許権者を記載します。自然人(個人)以外にも、法人を記載することができます。しかし、法人格をもたない任意団体は、特許権の主体となることができる資格がありませんので記載できません。個人事業者の場合、個人名(氏名)を記載します。屋号(○○商店)の記載は認められません。
法人の場合には、法人の名称は登記簿等に登記されている名称及び本店住所を正確に記載し、その代表者の氏名を併せて記載します。複数名の出願人を記載できます。
【特許請求の範囲】
「特許を取得したい発明(特許権によって独占を求める発明)」を記載します。独占を求める以上、出願人は、発明の範囲(技術的範囲)を、ここに記載する文章によって明確に定義しなければなりません。特許審査官は、この書類に記載される「発明の範囲」について、特許(独占権)を与えるべきか否か審査を行います。
【明細書】
明細書は、以下の事項を記載します。
<どのような技術分野・技術に関するものか(技術分野)>
開発された発明、アイディアがどのような技術分野のものであるかを記載します。例えば、金属加工技術、食品製造技術などです。
<これまではどのようにしていたのか(背景技術)>
開発された発明、アイディアの技術分野では従来はどのように行っていたのかについて記載します。また、特許出願人が知っている過去の技術文献(先行技術文献)情報を記載します。開発された発明、アイディアに関連する従来の特許出願の内容が公表されている特許出願公開公報の番号を記載するのが一般的です。
<どのようなことを解決・改善しようとするのか(発明が解決しようとしている課題)>
これまでどのようなところに不具合を感じていたのか、どのようなところに困っていたのかを記載します。従来になかった新しいニーズに対応できる発明、アイディアを開発した場合、どのような新たなニーズに対応しようとしているのかを記載することになります。
<解決・改善のために採用した工夫(課題を解決するための手段)>
上述した不具合、困っていた問題点を解決した工夫・手法を記載します。この記載は、後述する「特許請求の範囲」に記載する事項と同じ内容となります。
<今回の工夫を採用したことでどのようになったか(発明の効果)>
今回開発した発明、アイディアによって実現できた利点は何かを記載します。
<開発した発明、アイディアの具体例(発明を実施するための形態)(実施例)>
開発した発明、アイディアを実際に適用した実例を、図面を交えて記載します。例えば、機械・構造物の図面や写真・現物、実際に製品を製造したときのデータや試験・実験結果、従来のものと比較・検討した試験・実験結果データ、発明、アイディアが実際に行われるときの簡単なフローチャート等です。
【図面】
発明の内容について、理解を助けるような図・表・グラフ等を記載します。
【要約書】
発明の概要を平易な文章で簡潔に記載します。特許文献の調査の際に、その発明や考案の要点を速やかにかつ的確に判断できるようするためです。
(注意)本コラムは、理解のしやすさを最優先に作成していますので、法律的な正確性はありません。本コラムのアドバイスを参考にする際の責任で追いかねますのでご了承ください。
本コラムの著作権は、知的財産管理センターを運営する株式会社ブライナに帰属しますので、無断転載を禁止致します。