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知財実務Q&A:特許出願を行うとその内容はすぐに世の中の人に知られてしまうのでしょうか?
~中小企業の社長の為の知財実務Q&A~
Q. 「特許出願を行うと特許出願した発明の内容が同業他社に知られてしまう」と聞いたことがあります。特許出願を行うとその内容はすぐに世の中の人に知られてしまうのでしょうか?
A 特許出願の内容は出願日から1年6カ月後に公開されます。
特許庁は特許出願を受け付けた後1年6月(=18カ月)経過するまではその内容を秘密にして保持します。仮に、弁理士等の専門家が特許庁に問い合わせたとしても、特許出願の存在が開示されることはありません。
一方、出願日から1年6月経過すると、特許庁は、特許出願の内容(特許請求されている発明を説明している文章、図面、特許出願人・発明者の情報(住所・名称・氏名))を公表します。これを「特許出願公開」(特許法第64条)といいます。
この公表は、紙に印刷した特許出願公開公報として特許庁から発行されると同時に、インターネット上のJ-Plat Patに電子情報が掲載されることで行われます。電子情報でインターネット上に公表されますので、誰でも、特許出願番号、特許公開番号、発明者の個人名、特許出願人の名称(例えば、会社名)、技術用語などのキーワードを用いて検索できるようになります。
※『余談:特許出願番号』とは
特許庁は特許出願を受け付けると直ちに「受領書」を発行して特許出願番号と特許出願日を付与してくれます。
特許出願番号は、毎年、1番から付与されます。特許庁が2024年に受け付けた最初の特許出願には「特願2024-1」、100番目に受け付けた特許出願には「特願2024-100」という特許出願番号がそれぞれ付与されます。特許出願番号から、同年の出願件数を推測することができます。
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2019年05月05日