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2025年3月総合コラム:「ビジネス関連発明」の最近の動向を公表(特許庁)
特許庁は、「ビジネス関連発明の最近の動向について」の調査結果を公表しました。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/biz_pat.html
ビジネス関連発明とは、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を利用してビジネス方法が実現されている発明のことです。ビジネスの方法や仕組みに関する画期的なアイデアを思いついたとしても、アイデアそのものは特許の保護対象になりませんが、そのアイデアがICTを利用して実現された場合には、「ビジネス関連発明」として特許の保護対象となり得ます。
例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォンを使用し、インターネットを介して行う電子商取引のビジネス方法などがあげられます。ビジネス関連発明の正確な定義はありませんが、一般にコンピュータ・ソフトウェア発明の一類型と位置付けられています。
特許庁の調査結果によると、国内のビジネス関連発明の特許出願件数は、2012年頃から増加に転じており、2022年は13,411件の出願がありました。当初低調であった特許査定率は年々上昇しており、近年は技術分野全体の特許査定率と同程度の70%台で推移しています。
分野別の出願件数をみると、2021年に出願されたビジネス関連発明のうち上位を占めるのは、以下の3分野です。
(1)サービス業一般(宿泊業、飲食業、不動産業、運輸業、通信業等)
(2)管理・経営(社内業務システム、生産管理、在庫管理、プロジェクト管理、人員配置等))
(3)EC・マーケティング(電子商取引、オークション、マーケット予測、オンライン広告等)
特に高い伸び率を示している分野は「管理・経営」です。社内の業務システムや在庫管理の最適化に人工知能(AI)を活用する発明が代表例として挙げられています。
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